0301_乾熱調理

野菜炒め

今回のお悩みは?

中華料理店でいただく「野菜炒め」は、野菜の芯まで火が通っているし、野菜自体がシャキシャキしていて美味しい。ところが、家でつくる野菜炒めっていつもベタってしています。中華料理屋で作るようにシャキシャキパリッと美味しくできません。やっぱり火力の違いがあるから無理なのかしら?
野菜炒めはシャキッとした野菜の食感が大切ですね。たしかに、家庭で作ると野菜がしんなりして、野菜の煮物のようになってしまいがちです。でも、ちょっとしたコツを守り調理器具を選んで調理すれば問題はカンタンに解決します。使う道具も、目的にあったものを使うことが大切なのです。
使う道具、調理温度、熱量、調理時間など、意味が分かってくると、その他の炒め物調理にも応用が利くようになり、確実に調理の「腕」が上がります。 その結果、家庭の食卓の雰囲気が明らかに変わるのが実感できます。 野菜炒めはシンプルな料理ですが、炒め物調理のエッセンスが詰まっていると考えると良いと思います。ぜひお試しください。

岡山晄生先生のここがポイント

Point1

ポイント1 調理は正確な温度(170〜180度)で調理すること。目で見て、焦げ目が「キツネ色にこんがり」となる温度、これが(170〜180度)ということです。 鍋に油を入れ、そこにネギの切れ端を入れて軽く炒めた時、ネギの表面がキツネ色になったら、(170〜180度)ということです。 この時、鍋に手をかざして、この温度を手で感じ、しっかりと覚えて下さい。 目で見る、耳で聞く、手をかざして感じる、これは人間が持っている最も優れたセンサーです。 料理上手の人は、このようにして自分のセンサーを磨いて行くのですね。 一生の財産ですので、1〜2回の失敗を恐れず、自分のものにして下さい。 ガスを強火にしたままだと、調理中に鍋の温度は300度を軽く超えてしまいますので、くれぐれもご注意ください。

Point2

熱量を確保するため「鉄」か「セラミック」の鍋を使うこと。同じ温度であれば、どの「炒め鍋」「中華鍋」でも同じと考えていませんか? これが間違いの元です。鍋の材質によって供給される熱量が違うのです。170〜180℃の温度で、熱量がたっぷりと野菜に供給されるのは「鉄」と「セラミック」です。家庭でよく使われている「フッ素コーティング」は、フッ素の熱伝導率が鉄の217分の1ですので、どうしても熱量が不足します。つまり、野菜から水分が外に出る前に、野菜の芯まで火を通すような短時間料理には向かないのです。 皆さんの腕のせいではありません。 この2点が、「ベタベタの柔らかい野菜炒め」が出来てしまう一番の原因とお考え下さい。

Point3

ポイント1 ではいよいよ、本当に美味しい野菜炒めの「炒め方」についてご説明します。
@最初に鉄またはセラミックの「中華鍋」または「炒め鍋」を十分に温めます。(175度から180度)
A中華お玉1杯分の油をお鍋に入れ、お鍋を回して油を鍋肌全体によく馴染ませます。 そして油をオイルポットに戻します。ご家庭ではこの「油ならし」作業をしない方が多いのですが、実はそれだけですでに失格と言われてしまうほど重要な作業です。焦げ付き原因のひとつでもあります。
B改めて3カップほどの油をお鍋に入れ、約130〜140度になるまで温めます。 長ネギの切れ端を油に入れると、ネギから小さな泡がプクプク出る、これが目安です。 このままにしておくと、ネギが油の中でくるくる回り出しますが、こうなると油の温度は150〜160度ということです。
Cキャベツ、チンゲンサイ、人参、たけのこ、生しいたけなど、火を通すと野菜本来の味が出てくる野菜を鍋に入れ、ざっと10秒ほど油をくぐらせたら、野菜をザルに上げます。この作業は中華料理ではよく行いますが、「油通し」という作業です。 旨みを封じ込めたり、旨みを引き出すために行います。油通しが終わったら、油はオイルポットに戻します。
D鍋を火の上に戻し温度が180度になるまで温めます。鍋肌には充分油が残っていますが足りないときは少し油を足します。柔らかい葉、薬味の役割を果たす「ねぎ」「ニンニク」「生姜」などを鍋に入れ、約5秒ほど炒め、先ほど油通しした野菜を鍋に入れ、『塩、胡椒、お酒』でお好みの味をつけます。数回ほど混ぜ、「水溶き片栗粉」少々、胡麻油少々を回しかけ、鍋を振って全体になじませたら完成です。
私の自宅で毎月、約20年間にわたって中国人料理人の元で修業された中華料理の先生が来て「出張料理教室」を行っていますが、この手順、この温度、この調理時間は、一度も狂うことがありません。今は、我が家でもこの通りに行っています。


調理実習を終えて

・今まで作ってきた野菜炒めは、肉や野菜をフライパンにどんどん放り込んで、最後は水気が出てしまってベタベタ… 油通しのひと手間が、野菜の旨味をグンと引き出します。ぜひチャレンジして下さい! (松浦)

・油通しをすると野菜がシャキッとするだけでなく、食材の見た目もとても鮮やかになるのでオススメです!油っこさもあまりありませんよ。(岡田)


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