0303_基本

切ったレモンの保存

今回のお悩みは?

  料理にレモンをくし型に切って添えるのはいいのですが、毎回使うのは1〜2切れで余ってしまいます。
次に使うときまでに表面が乾燥しちゃうんですが、上手な保存方法とかあるんでしょうか?
さすがに今回のこのご質問には、私の年齢のせいでしょうか、お答えを書く気力がなかなか湧いてきませんでした。レモンを切ったら、切り口から水分が蒸発するのですから、どんどん乾燥するのは当たり前のことです。水分の蒸発を抑えるにはどうしたら良いのか、ご自分で考えれば分かることだと思うのですが・・・。いえ、この程度のことは常識と言ってもよいことだと思うのですが。 こう考える私の認識の方が間違っているのでしょうか・・・。

17世紀のフランスに、数学者であり物理学者であり哲学者であり思想家であり宗教家でもあった“ブレーズ・パスカル”という人がいました。このパスカルは若くして亡くなりましたが、まさに早熟の天才で、考えたことをすぐメモしたそうです。このメモを基本にして、他の人が書物にまとめ上げたもののひとつが「パンセ」だといわれています。このパンセの中に『人間は考える葦である』という言葉があります。この言葉の通り、人間は他の動物と違って、優れた思考能力を持っているのですね。ある程度の基礎知識、基礎学力を身につけたら、自分で想像したり、考えたりして良い答えを見つけることが出来るのですね。その優れた能力を使わないなんてもったいないです。
しかも今回は、レモンの切り口からの蒸発をどうしたら抑えられるかということです。完全には抑えられませんが、ほんの数日ならば蒸発を抑える方法はあります。
保存に頼らない方法だってあります。
みんな人間が考えたことです。
今後は、この程度のことはご自分で考えるようにしましょうね。

岡山晄生先生のここがポイント

Point1

レモンは料理にもよりますが、鍋料理だとか、フライだとかなら、二人で1個ぐらいは使います。 我が家で「カキフライ」を食べる時は、レモンは二人で1個じゃ足りません。私など、1個を一人で使ってしまいます。
確かにレモンをくし型に切って添えるときれいで恰好はつくでしょうが、レストランではないのですから、味や栄養を考えたら、まずはもっとたっぷりお使いになることを考えたらいかがでしょう。
それでも余ったら、我が家では、ただちに「レモンと蜂蜜」を混ぜて「蜂蜜レモン」を作り冷蔵庫で冷やします。乾燥させることなどもともと考えないのです。こうすると甘酸っぱい美味しい飲み物となるのです。朝食のジュースが一丁出来上がりということです。あまり甘くしないので、まさに「フレッシュモーニング!」、この1杯で目が覚めます。
レモンの切り口にぴったりとラップが張り付くようにし、ラップでレモンを包んで冷蔵庫で保管すれば、たしかに2〜3日はなんとか持ちますが、やはり徐々にみずみずしさは無くなって行きます。 それならば「蜂蜜レモン」にした方がはるかに美味しく飲めます。
保管することだけを考えるのではなく、こうやって別の頂き方を考えたらいかがでしょう。

我が家では、沖縄県大宜味村産の「青切りシークヮーサー」と「蜂蜜」を混ぜた特性ジュースが年間定番ジュースで、常に冷蔵庫に入っています。 毎朝、「オーっ、酸っぱい!」と言いながら朝食時に飲んでいます。レモンが余れば、ただちに「蜂蜜レモン」となります。この「蜂蜜レモン」は、お湯を足して熱くても美味しいので、冬の夜に飲むこともあります。

食の安全を考える場合でも、健康を考える場合でも、日本は全て食材の生産者、食品加工業者、食品販売者だけに責任を押し付けてしまう傾向が大変強いのが現状です。しかしこの現象は根本的に間違っていると言えます。そもそも食の安全は、生産者が守る範囲、食品加工業者が守る範囲、販売者が守る範囲がそれぞれあるのですが、同様に消費者自身が守るべき範囲もあるのです。なにか食の安全を脅かす事件が起きる度に、生産者と食品加工業者と販売者ばかりが責任を追及される風潮が強いのが日本の現状です。そして、消費者は常に傍観者であり被害者という立場です。
しかし本当にこれでよいのでしょうか? 私はこれでは食の安全は永遠に確保できないと考えています。消費者自身が「食の安全」を確保することに積極的に参加することがなくて、どうやって家庭の食の安全が確保できるというのでしょうか。どんなに良い食材、安全な食材を購入しても、肝心の消費者に「食材保存知識」「調理知識」などが無かったら、安全を確保できないことが度々起きるのです。
たかが「レモン1個」かもしれません。しかし食材を安全に、しかも美味しく、そして無駄なく頂く、これは生産者や販売者の問題ではありません。消費者が考え、工夫し、導きだすべきことです。 なにも食べずに生きてゆける人はいません。つまり、食は命の源です。 しかも、私たちが食べる食材は「命ある生き物」です。絶対に残さない、美味しく頂く、これが「命ある生き物」を食べて健康を維持し、自らの命を育む人間が「食材=命ある生き物」に対して感謝の気持ちを表す最低限の守るべき礼儀なのではないでしょうか。 レモンのことを考えて、お答えを書いているうちに、もっとも根本的な問題に触れる結果となりました。
良い食材を購入し、正しく保存し、正しい調理を行い、適量食べる、しかも食材は絶対に残さない。そのためには、知識、工夫する知恵、技術が必要ですが、これは消費者が身につけるべきことです。頭を柔らかくして勉強し、工夫し、無駄のない、豊かな食生活を構築なさって下さることを願っています。



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